【2019-2】広木大地「エンジニアリング組織論への招待」を読んだ(※追記あり)
読んだのは去年なのだけどせっかく勧めてもらったので書いた。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私的要約
複雑系の不確実性を低下させるためには経験・学習・適合の連続がよい。
よって組織は個人・チームの学習能力をメンタリングで最大化した、アジャイル組織であることが望ましい。
雑感
まとめはしたが基本的には不確実性への対峙・不確実性低減へ向けた個別の方法論の集合体。
体系を打ち出すより学習と適合のためにエラー集・ツール集を用意することは論旨に沿っているため納得。
気付き/盲点
・「わかった?」は無意味
・個人を適切にメンタリングすることで自然と学習適合の方向へ進むことを仮定しているため、
そのような仮定をおけるような個人を準備する必要がある。
追記
本人による拡張。内容は読んでください。
これを読んで思ったこと走り書き。
取引コストの増大はできる限り権限を委譲することだが、このとき問題となるのが言語によるコミュニケーションの不完全性による齟齬である。よって補助としてなんらかの軸の点を指し示すモジュールがあるとよい。これはできる限り抽象的なものであるのが望ましい。ここで必要なるのがいわゆるMVVである。モダンなIT企業がビジョンを掲げるのは意識の高さによるものではなく、それが言語コミュニケーションによる組織の限界を超克する手段であるからである。ビジョンが生産性を向上することはビジョナリーカンパニーにおいて定量的に示されている。